百式入間航空祭

飛行点検隊ハンガー
入間基地の前身である陸軍航空士官学校にちなんで”百式”なのだよ
金ぴかのモビルスーツのことではない(笑)


川崎重工業製93式ZZ-R400出撃...って百里と同じ

 11月3日、土曜日。10月10日と並び「晴れの特異日」と言われているものの、どんよりとした曇り空。しかし予報では天気は回復に向かうらしいので、どたばたとカメラなど準備し8時半出発。
 今まで入間基地までは浦和所沢バイパス(国道463号線)を走って行っていたところを今回は国道16号線から逆アプローチしてみることにする。入間に近づくに連れ小雨がぱらつきだしたもののここまで来て引き返す訳にもいかず、国道16号線から国道463号線に入り、西武池袋線入間市駅前を通って入間基地へ。所要約40分。う〜ん入間がこんなに近いとは...
 正面ゲートから入るといつものように「ここからバイクを降りて駐輪場に行って下さい」と言われる。臨時駐輪場になっているグラウンド内を重いZZ-Rを押して歩くこと3分、息も切れ切れに最奥部、グラウンドの縁にあるバイク駐輪スペース着。ここは下がアスファルトになっているので安心してバイクを止めることができるのですがせめてグラウンド内は乗車可にして欲しいところです。

いきなり出店回り

 当日の飛行展示予定は次のとおり。百里航空祭と違ってだいぶ大ざっぱなプログラムであります。

飛行展示・空挺降下
T-4、YS-11、C-1、U-125、U-4、UH-60J、CH-47J、F-15J
陸上自衛隊第一空挺団によるC−1からの降下
時間AM9:00〜PM3:00(12時から1時間のぞく)

 駐輪場から会場に向かう途中、西武池袋線「稲荷山公園駅」の周辺、会場手前の格納庫と施設棟の間にグッズや食べ物の出店が出ています。
 エプロンと出店の間を行ったり来たりするのも大変なので、まず出店をチェック。ちなみに上空ではT-4の飛行展示が始まっています。
 しかし、今回は全く買いたいと思う物がありません。10時前にも関わらず、戦闘機部隊のステッカーは売り切れ状態、あとはどの航空祭でも見られるグッズばかり。今回は出費無しかと思いながらそれでも貧乏性のなせる技か一通り見て回ります。すると端っこにある店でランドルフのサングラスを売っているのを発見。実は「航空ファン」の特集を見てから欲しいと思っていたので、迷わずゴールドフレームを購入。今回のグッズ関連出費はこれにて早くも打ち止め。

「回せ〜っ!あ〜っ!ファントムが無い!!」by神田鉄雄

 ようやくエプロンに出る。入間航空祭と言えば毎年何万人もの人出になることで有名ですが、人がいません。エプロンはガラガラ(タイトル画像参照)。
 並べられた地上展示機をざっと見渡すとみょーに1機、1機の間隔が空いています。「まぁブルー・インパルスも来ていないのでしかたないか」と思いつつよく見ると、な、何とファントムがありません!!慌ててパンフを見ると確かに地上展示機のリストにファントムは入っていません。最新鋭支援戦闘機F−2や最新鋭国産偵察ヘリOH−1(”ニンジャ”という愛称が付いたらしい、さすが川崎重工製)の展示すらないのにファントムまで無いのはいけません!!
 「ったく、しょーがねーな」とぼやきながらもF−15Jなど撮ってみたりします。
 格納庫に行くと、ちょうどT−4の油圧作動デモが始まるところで、T−4周りに人だかりができています。時を同じくして、百里救難隊のUH−60Jの救難デモが始まったようですが、これは百里でも見ているのでパスしてT−4の油圧動作デモをじっくりと見ることにします。
 号令とともに何度か脚を上げ下げしていたのだが、以外と主脚ドアの閉まる音が大きいのに驚く。擬音にすれば「ガタン」とか「バコン」という音。ドアを動かすモーター音は全く聞こえません。

 同じく格納庫内に設けられた「入間模型同好会」の作品を見学。いずれもレベルが高く、サイトで駄作を公開している自分が恥ずかしくなってしまいます。
 プロペラ機、ヘリコプターは小型モーターでプロペラ、ローター回転、自衛隊機の多くは翼端灯点灯というギミックが仕込んであり、1/48はともかく、1/72のシーキングヘリまでローター回転、翼端灯点灯させていたのには脱帽(電源自体は機体の展示台に仕込んであるようです)。

”空の神兵”って古いか

 いよいよ入間航空祭のメインイベント、C-1の機動飛行と空挺降下実施のためC-1が次々と滑走路から舞い上がっていきます。
 C-1の編隊飛行の後、2機のC-1から第一空挺団の精強40名が空挺降下。滑走路上空一杯にパラシュートの花が開き、観客からどよめきとともに拍手が沸き上がります。2〜3名の隊員が滑走路内にある建物すれすれに降下しちょっと冷やっとしたものの、全員無事着地。

精鋭第一空挺団の空挺降下

 しかし、毎回単に降下するだけでは単調なので、予め着地地点に高機動車や73式小型トラックを配置しておいて、着地後それら車両に分乗して撤収するというのはいかがか?ホントは高機動車も空中投下して欲しいんだけどこれはちと無理。

 空挺降下終了後、C-1が次々と着陸してきます。最後の1機はお約束のスラストリバーサーフル使用の短距離着陸デモで締め。

ディスカウントの嵐

 とりあえず、入間航空祭として見るべきものは見ましたので、早くも撤収にかかります。
 何か食べて帰ろうと思い、出店エリアに行ってみると、お昼前にもかかわらず、早くもお弁当類のディスカウントが始まっていました。これも人出が少ないことの証明であります。
 ただし、そばやカレーなど温かい食べ物を売っているところでは値引きをしていないにもかかわらず長蛇の列ができています。最近「かき揚げせいろ中毒」となっている私もここで天そばを食べる。嬉しいことにネギは自分でトッピングできたのでネギそばと見まごうくらいてんこ盛り。
 ついでにあんころ餅も食べてしまったりします。

 格納庫越しに見える上空ではT-4が飛行展示をしていますが、アナウンスを聞くとどうやら「ロートル無頼」の方々がスティックを握っているようです。

是非とも寄ろう「修武台記念館」

 基地内を縦断している西武池袋線「稲荷山公園駅」の南側にある公園に展示されている(というより置かれている)ゲートガード機でも見て帰ろうと思い、行ってみると展示機の中では最新鋭のF-104Jのところで見るからに「ミリタリーヲタ」という風情の青年(一応ね...)が、マルヨンのコクピットを見ようとしている子供達に「どいて下さい!どいて下さい!」と言葉こそ丁寧なものの、かなり邪険な口調で追い払い、数枚写真を撮って「ありがとう」とか「どうも」という言葉も無く、そのまま西武線の下りホームに立ち去って行く。
 こういう「ジコチュー・ヲタ」が同好者全体の評判を下げているんですよね...
 小雨が降り出してきたのでしばしC-47輸送機の翼下で雨宿りして、バイクを停めているグランド方向へ歩き出す。通り沿いの格納庫に「修武台記念館へもお立ち寄り下さい」という貼り紙があったので、道標に従って基地の外れにある「修武台記念館」へ。
 記念館の前庭にはナイキ地対空ミサイルやF-104Jが展示されており、マルヨンのコクピット下には観光地でよく見かける顔の部分をくりぬいたパイロットの看板があります(笑)

修武台記念館 ファイターパイロット 顔はめ

 2階建ての記念館に入館してみると、1階は主として空自関係、2階が旧帝国陸軍航空隊関係の展示となっているようです。
 そもそも入間基地の前身が陸軍航空士官学校だったそうで、2階には士官学校校長室、「加藤隼戦闘隊」で有名な加藤健夫中佐(戦死後特進で少将、軍神とされる)の遺品、士官候補生の資料、さらには修復中の桜花などが展示されています。
 1階の空自関係は、さながら空自歴代使用機模型展示室の様相を呈していますが、用廃となった航空管制システムも展示されており、コンソール前に座れば要撃管制官の気分が味わえます。

航空管制システム

後 の 祭 り

 後日、空自や航空ファンの方々のホームページを拝見すると、どうやら天候がある程度回復した午後には、F-15やT-4の機動飛行も行われたとのこと。早まったか...
 ただし、F-16のデモフライトは期待外れだったという意見が多かったようです。
 今回は、悪天候、ブルー不参加という悪条件が重なった航空祭でありました。ブルー云々はともかくとして11月3日の入間は天気に恵まれるのを祈るのみであります。


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