4SHIP INVERTED


 2年ぶりにして今年唯一見に行ける航空際

 昨年、9月11日の無差別テロにより、以降の航空祭は全て中止、おまけに今年は百里基地も航空観閲式のため航空祭中止ということで、今年私が唯一見に行くことができる航空祭がこの入間基地航空祭です。

 11月3日、日曜日。10月10日と並び「晴れの特異日」と言われているだけあって、ほぼ快晴(一昨年は曇り時々小雨)、今年はカミさんと一緒に行くことにしているため、ビデオカメラ、一眼レフカメラをストリームに積み込んで出発。
 入間基地航空祭では、交通の便がいい(西武池袋線「稲荷山公園駅」が隣接)こともあり、駐車場が用意されていません。しかし周囲の時間貸し駐車場も混雑することが十分考えられますので、以前住んでいた西武池袋線清瀬駅近くの某病院裏にある時間貸し駐車場に車を置いて、清瀬駅へ。
 清瀬駅で、航空祭専用の定期券タイプの往復切符を買い、稲荷山公園駅へ。この時点ですでに航空祭開始時間を過ぎており、車内から入間基地方向を見ていると飛行点検隊のYS-11が基地上空や周辺を航過していくのが見えます。しかし、いくら焦っても電車にアフターバーナーが付いているわけでもないのでどうしようもありません。
 10時頃稲荷山公園駅到着。はやる心を抑えながら展示機エリアに向かいます。途中の売店エリアを偵察飛行歩行している間にC-1の展示飛行が始まり、エプロンにたどり着く前に”高機動輸送機”C-1の編隊飛行、陸自第一空挺団の精鋭による空挺降下が始まってしまいました。

 飛行プログラム

 エプロンに行く途中でもらったプログラムによると、当日の飛行展示予定は次のとおり。

時間

展示内容 機種
0900〜1000 飛行展示 T-4、YS-11、U-125A
1000〜1100 飛行展示 C-1、U-4、CH-47J
1100〜1200 飛行展示 T-4、UH-60J
1055〜1110 編隊航過飛行 CH-47J
1000〜1050 空挺降下 C-1
1400〜1415 帰投 F-15J
1240〜1350 曲技飛行 T-4(B.I)×4

 結構アバウトなプログラムですが、後で入手した「ズバリ!展示飛行ガイド」によると、

時間

展示内容 機種・機数 展示部隊名
0800〜0900 天候偵察 T-4×1 総隊司令部飛行隊
0900〜0930 編隊航過飛行 T-4×4
0935〜1000 航過飛行 YS-11×1、U-125A×1 飛行点検隊
1000〜1050 航過飛行、編隊航過飛行、
空挺降下
U-4×1、C-1×6 第2輸送航空隊
1055〜1110 編隊航過飛行 CH-47×3 入間ヘリコプター空輸隊
1110〜1140 編隊航過飛行 T-4×4 総隊司令部飛行隊
1140〜1155 救難展示飛行 UH-60J×1 航空救難団(百里)
1240〜1350 ブルーインパルス展示飛行 T-4(B.I)×4 第4航空団第11飛行隊
1400〜1415 第6航空団計画による F-15×2 第6航空団第303飛行隊
1420〜1455 帰 投 地上展示機  

 ということになっています(一部修正)。

 RACCO三佐を探せ!

 売店エリアをゆっくり見たそうにしているカミさんを急かして、駐機場エリア(エプロン)に出てみると、左手にブルーインパルス、右手に入間初見参の支援戦闘機F-2B(正確には飛行開発実験団のXF-2(B)2号機)をはじめとして、F-15J、F-4EJ改、AH-1S、T-4、SH-60Jなどが並べられています。
 F-4改は三沢の第8飛行隊機で、F-2と同じ迷彩塗装になっており、往年の戦競塗装機を彷彿させます。
 海自のSH-60Jは護衛艦「はるな」に搭載され6ヶ月に及ぶインド洋の航海から帰ってきたばかりの機体です(ご苦労様です)。

インド洋帰り

 エプロンに並んだ機体よりも今回はまずブルーインパルスのブース(テント)探しであります。T-4ブルーが駐機しているほぼ正面のオペレーションルーム前にブースを発見。
 ブース内では大津三佐や伊藤三佐等がファンへのサインをしていましたが、タックネーム”RACCO”こと渡辺三佐の姿はありません。渡辺三佐は現在、展示飛行のナレーターを務めておられますので、そちらの業務の関係で忙しいのかも知れません。
 ちなみに、サインは事前に販売されるパンフレット、ポスター類にしかしてもらえないようであります(アイドルのサイン会と同じ(^^;)。私が行った時点では既に売り切れで入手できず(泣)。
 サインを貰えないファンを憐れんでか(笑)、隊員の方が前述の「ズバリ!展示飛行ガイド」を配布してくれました。表紙を見ると「一部200円」とありましたが...タダでいいんでしょうか?

 駐機している5機のT-4ブルーを良く見ると、何と垂直尾翼に「4」と描かれた4番機が2機あるではありませんか!

左が展示飛行で使用した4番機(728号機)、右が予備機(745号機)

 おそらく端の4番機が予備機の扱いなのでしょうが、何故同じ番号を入れてあったのでしょうか?ということはソロの5番機、6番機が未だに決定していないということにもなります。
 先日発売されたハセガワの1/72T-4ブルーに5、6番機のデカールが入っていなかったので、入間で確認しようと思っていただけに残念です。

 展示飛行は、C-1の短距離着陸デモや、総隊司令部のベテランパイロットが操縦するT-4の編隊飛行などが続いています。航空祭でのフライトも年飛に加算されるんですよね?(「年飛」については拙稿”航空自衛隊のT-33の墜落事故について”冒頭をご参照ください)

 一昨年の数倍はありそうな人出ですので、売店エリアに行って毎度お馴染み天ぷら(かき揚げ)そば、フランクフルトで早めの昼食。

 大空の軌跡

 正午から1時間のフライト自粛時間をF-4改の前で過ごしながら、ブルーインパルスの展示飛行開始を待つことに。展示飛行開始予定時間の1245時近くになると午前中より若干雲が出てきてしまいましたが、まず問題になる雲量ではありません。
 ドルフィンキーパー(T-4ブルー整備員)がT-4ブルー駐機場に現れ、離陸準備が始まると、観客がざわめきだし、パイロットも準備が整ったところでウォークダウンが開始されますが、T-4ブルーの駐機エリアとF-4改の駐機エリアは200m近く離れていますので、いかに私が「脚立いらず」若しくは「人間脚立」と呼ばれていても、最前列にいるわけでもないので良く見えません。
 デジタルビデオのズーム機能を使ってモニター越しに見ても、デジタルズームだと画像が荒くなってしまい使い物になりません。
 パイロットの搭乗も終わり、1番機から順にランプアウト、目の前をタキシングしながら滑走路端に移動していきます。
 滑走路端が少し下がっているため、垂直尾翼の先端しか見えませんが、しばらくすると盛大に白煙が立ち上り、スモークチェックが終了、間もなくテイクオフというのが分かります。

 いよいよ3年ぶりにナマで見るブルーインパルスの展示飛行の開始であります。ダイヤモンド・テイクオフから始まる4機体制での展示飛行は天候に恵まれたこともあり、第1区分(若しくは第2区分?)の課目での展示飛行です(画像をクリックすると大きな画像が出ます)。

FAN BREAK CHANGE OVER TURN WIDE TO DELTA LOOP

RAIN FALL ROLLING COMBAT PITCH

 フル・ショーを見慣れると、ループ、ロール系が主体の4機アクロでは若干の物足りなさを感じますが、それでも「ブルーインパルスを見るためにやってきた」と言っても過言ではない21万人(主催者発表)の観客からは歓声があがります。
 そして、あっという間に最後の課目ローリング・コンバット・ピッチに入り、上空で次々とブレイクしたブルーインパルスが着陸してきます。

 ランプインしてきたブルーインパルスからパイロットが降機し、ウォークバックして展示飛行が無事終了。観客からは万雷の拍手がわき起こります。
 ただ、今回の展示飛行、場内のスピーカーの設置位置の関係か、渡辺三佐のナレーションが、私がいた場所では途切れ途切れにしか聞こえてこなかった点が残念です。次回入間基地祭ではせめてエプロン内はきちんと聞こえるように改善を望みたいところです。

 ファントム帰投せず

 ブルーインパルスの展示飛行準備とほとんど同時に、XF-2B、F-15Jが帰投準備に入りました。
 F-15の動翼が「パタッ、パタッ」という感じで左右あるいは上下に動いて作動チェックが行われるのに対して、XF-2はそれに加えて、スタビレーターを「じわり」と僅かに動かすチェックも入っています。トリムのチェックなのかCCV機能のチェックなのかはわかりませんが...

 XF-2の方が先に帰投準備を始めたにも関わらず、F-15の方が先にランプアウトし、別な場所に駐機していたもう1機のF-15とともに滑走路端に向かっていきます。

 離陸後、翼を振ったり急上昇をしながら2度基地上空を航過してから小松基地へ帰投して行きます。
 次にXF-2が離陸、こちらは上空を一航過して各務原基地に帰投。

F-15J 帰投 XF-2 帰投

 入間基地の性格上、デモフライトが輸送機、練習機が中心であったため、ブルーインパルスを除けば、展示機の帰投が一番派手だった(人気があった)ような気がします。
 この後も展示機が次々と帰投、フライバイの予定となっていますので、F-15、XF-2とくれば、次にF-4改の離陸を見たいところですが、私たちはXF-2の帰投を見届けたところで帰ることにします。
 なぜなら、「本日、F4は帰投いたしません」と繰り返し場内アナウンスが流れますので...(;_;)
 「新宿か池袋に遊びに行きたくて今日入間ステイ(泊まり)にしたんじゃないの?」と邪推もしたくなってしまいます(^^;

 航空祭後書き

 今回は、前回(一昨年)のように年を越して(それも世紀越し!)からアップするようなことにならず、月末発売の航空誌並みにアップでき、ほっと一息。
 来年は、6機体制でのブルーインパルス、外来機では部隊配備されたF-2、陸自からのOH-1の展示を期待したいところです。
 そうそう、今年は何故か一番近い百里からは救難隊だけの参加だったので、是非とも204SQか305SQのF-15J、501SQのRF-4E(RF-4EJ)の参加をお願いしたいところ。まー来年は多分(絶対?)百里基地航空祭にも行くとは思いますが...

 航空祭時、基地側では一般来訪者用駐車場を用意していないので、民間駐車場に駐車せざるを得ず、以前住んでいたということもあり今回も同じ西武池袋線沿いの清瀬駅近くの駐車場を利用したのですが、エプロンで私達のすぐ側にいた人の会話を盗み聞き(というより聞こえてくる)したところ、どうやら基地の近くにある美術館の駐車場が早い時間に開放されるらしいので、「平時」に一度偵察しておく必要がありそうです。

 2002年のレポートはここまで、それではまた来年、同じサイトでお会いしましょう。

 追伸、入間基地航空祭のレポートでありながら、入間基地の総隊司令部、輸送航空隊の写真が一枚もありません。入間基地の隊員の皆様ゴメンナサイm(_ _)mペコリ


レポート一覧に戻る

inserted by FC2 system