Hangar No.8



E-767  AWACS
【第601飛行隊】
(童友社 1/300)

▼実機について
 旅客機ボーイングB767-200ERを母機として開発された空中早期警戒管制機。
 航空自衛隊は当初E-3セントリー導入する予定であったが、E-3の生産ラインが閉じられてしまったため、新たにB767をベースに開発された。
 搭載レーダー等基本的なシステムはE-3と同じ。経緯が経緯であるゆえ、旅客機的に言うところの本機のキックオフカスタマーは日本(航空自衛隊)である。
 平成10年3月に1号機及び2号機がアメリカから空自浜松基地に到着、飛行開発実験団の各種試験飛行の後、平成11年3月に警戒航空隊第601飛行隊第2飛行班に配備された。

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▼製作ログ
 ハセガワの1/200ではありません。
 ハセガワの1/200が出る前に、童友社が自社の1/300スケールB767をベースにロートドーム、ドーム支柱のパーツを追加して発売したもの。
 実はこのキットは同じB767でも胴体をストレッチした-300なので、E-767の母機となった-200ERより全長が6.43m長く、正しくE-767とするには1/300換算で21.4mm胴体を短縮しなければならないのが、
ロートドームが載っていればどうみてもAWACSにしか見えないので、今回はそのままストレートに組んである。
 そもそもT-4練習機を作っていて、塗装寸前の段階で、前脚収納庫を組み忘れていたという致命的ミスを犯していたのが発覚、凹んでしまい、気分転換に作り始めたものなので、手間の掛かる作業は一切やりたくなかったのがホントのところ。

 胴体左右を貼り合わせ、主翼、水平尾翼を差し込んで、ロートドームを載せれば出来上がりの小スケールならではの極めて簡単なキット構成であるが、小スケール若しくはパーツ追加型キット故、@ロートドーム支柱が「とってつけた」ようになっている、A胴体、主翼各部のアンテナが再現されていない、B着陸脚がスケール感に乏しい等の問題点もある。
 @は、実機も多少「とってつけた」感じがあるのだが、小スケールではいかにもすぎるので、パテ盛り、整形により胴体と一体化。

E-767brfore → E-767after

 Aは、胴体各部のブレードアンテナ類は省略し、主翼端のアンテナ、胴体尾部上部のアンテナ、胴体左舷後部、国籍表示の下にある冷却空気口(?)のみ再現。
 Bは、ディスプレイスタンドもあるので、格納庫をポリパテで埋め、飛行姿勢とすることにした。

 塗装及びマーキングは選択の余地無いため、指示通りのライトグレイと白とした。
 デカールはカルトグラフ社製であるが意外と固く、ロートドーム中央部の白い部分、ドアの赤い縁取りなどRがきつい部分にはマークソフター等を何度も塗布しながら機体に馴染ませなければならなかった。
 マーキングは601飛行隊第2飛行班しかあり得ないのだが、機番(シリアルナンバー)は以下の理由で503とした。

 実は「原子力空母信濃シリーズ」第3作「中米侵攻作戦」の序章及び終章にE-767が出てくるシーンがある。
 作中では、6機配備予定のE-767のうち、5・6号機は無期延期、組み立て中だった3・4号機は、3号機が政府専用機、4号機がAWACS(E-767)として完成して登場する。
 本機は日本政府が発注したB767(E-767)としては4号機であってもE-767として完成した3番目の機体となるため、この503号機となる。
 小説中では、群神通産大臣が政府専用機を受領に行った帰りに立ち寄った中米某国で陰謀(クーデター)に巻き込まれ、信濃が救出作戦を敢行し、某国から緊急脱出した政府専用機の航法をアシストする役で本機が登場するのだが、このE-767も政府専用機同様、アメリカでの引き渡しを受け、日本に向けフェリー中であったと考えられる。
 1・2号機の例からすると、日本に到着していないこの時点では機首には503と書き込まれていても、尾翼には飛行隊マークはなく、シリアルナンバーも自衛隊のものではなく、アメリカの民間機の登録ナンバーが書かれていたものと思われる。E-767の1号機、2号機がそれぞれ、「N767JA」、「N767JB」であったことから、本機は「N767JC」であったと思われる。
 本作では原子力空母(信濃)の維持費がかかりすぎるため(?)、E-767の配備を削減せざるを得ない状況となっているが、現実はE-767どころか、同じB767を改造した空中給油機(KC-767?)まで導入するような状況となっている。ちなみにこの空中給油機(兼輸送機、メーカー呼称”767TT”)は-300Fがベースとなるらしいので、今回作った童友社のB767がそのものズバリの機体となる。
【訂正】
 B-767TTはB767-300Fをベースに開発ではなく、E-767と同じくB767-200ERに胴体上部を-300Fの貨物機機能を持たせた空中給油 /輸送機になるらしい。確かに機体運用を考えたら同一機体(ベース)の方が何かと便利ではある。
 ということで、B-767TTもこの童友社B767からはストレートに作れません(^^;
 ちなみにこの767TTはイタリア空軍も導入予定なので、1/200でE-767を出しているハセガワはもとより、自国空軍が導入するので、「お先っぱしり」のイタレリからも出る可能性がある?

 


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