Hangar No.14


Bae SEA HARRIER FRS.1
【アスラン王国空軍 エリア88 キム・アバ機】
(ハセガワ 1/72)

Roll Out  2010/1/31

▼実機について

 イギリス空軍で採用された垂直離着陸機ハリアーを艦載機に改造したもの。FRSとはシーハリアーに求められた戦闘(Fighter)、偵察(Reconnaissance)攻撃(Strike)の3任務を表す。

 ハリアーよりコックピットを約25センチ弱かさ上げし視界を改善し、ブルーフォックス・レーダーを搭載。レーダーを搭載した事により、短射程AAMに加えて、シーイーグルASMの運用能力を持つ。

 1982年に発生したフォークランド紛争では、空中戦にのみ限れば、アルゼンチン空軍機撃墜20、被撃墜0と一方的勝利を収めている。

 シーハリアーは、各型合わせて約110機が製造され、英国海軍の他にインド海軍でも少数機が採用された。

 なお、英国海軍から数機のシーハリアーが武器商人の手によって、中東の某国に横流しされ、内戦で使用された
形跡がある。またこのネタかい(笑)

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▼製作ログ

 前々作、F-20タイガーシャークに続いて、エリア88シリーズとして前作F-4EJ(「お祭りファントム」改め「後の祭りファントム」)完成後の2009年2月に着手。
 デカールは2004年のプラモデル・ラジコンショー会場限定販売のデカールを使用(当時テレ朝・アニマックスでA88が再アニメ化)。

 キット自体はこのデカールを買う前から何故か準備してあったもので、この他にもF-8クルセイダー、A-4スカイホーク、F-5タイガーII、A-10サンダーボルトII、F-105サンダーチーフなどA88機がストックヤードで出撃待機中。

 ハセガワのシーハリアーは、記憶に間違いが無ければ、発売当時(組み立て説明図の奥付によれば発売は1986年)に一度作っているはずなのですが、20数年前の事ですので全く覚えていません。

 キット固有の問題点は、大きくは@胴体断面ラインの上部のメリハリが無い(猫背が足りない)、Aノズル内のフィンが再現されていない、B主翼端の補助脚格納庫が抜けていない、C機体上面のACL(衝突防止灯)の位置が間違っているの4点です。
 @、Bについては直しようがなく、Aは本来抜けている部分をコピックの黒でチョコチョコ塗って誤魔化し、Cについては手抜きでそのままにしてあります。
 胴体下面に付けるガンパック(ポッド)のフィッティングも良くないので、隙間をポリパテで埋めて整形しました。
 ハリアー系の鬼門、補助エアインテークはランプドアのモールドに沿って深くスジ彫りを入れ直してスミ入れしただけに止めていますが、これだけでもかなり印象が違います。
 唯一手を加えたのは、モールドが全く無いガンパックの発射口とガス抜き穴くらいですが、普通のアングルからはほぼ見えません。
 しかし、キット全体としては合いも良く、あまり削ったり盛ったりしなくても済みました。昔作りかけて挫折したイタレリのAV-8BハリアーIIはひどかった。
 製作上の失敗点は、何と言ってもデカールを貼った後のクリアがけで、クリアの前に使った金属色がエアブラシ内に残っていたため、機体全面、微妙にラメが入ってしまった事です(ネット上ではわかりませんが)。
 その他にもノズルカバーとノズルが干渉してノズルがはめられず、後からノズルカバー内側をリューターで削って調整、最後の最後でキャノピーとシートが干渉してキャノピーが閉まらずシートの頭を削って調整、主翼を接着する時の下反角調整が出来ていなかったため補助脚が接地せず、補助脚を上げ底にしたり主脚を削ったりしたものの、結局4点接地姿勢(首脚、主脚、補助脚×2)にできずと道具の手入れと仮組みなどの事前の調整を怠ったツケばかりです。

 塗装は機体全体をダークグリーン。ただし、イギリス空軍機のダークグリーンではなく、ベトナム迷彩色のダークグリーン(Mrカラー特色309)で塗装。砂漠の作戦ではオアシスに潜む(アニメ第7話、後述)以外目立って仕方がないと思うが・・・
 機体上面は中東の日差しによる退色を表すため、少し白っぽく塗装。前部ノズルは機体と同色ですが、熱焼けを表すためにつや消し塗装。汚しは足回りに中東らしく軽く砂汚れを入れ、機体の所々にチッピング(塗装剥げ)を金属色ではなく下地のジンクロ色で入れましたが今イチでした。
 デカールは当然、ハセガワの限定版から。と言っても尾翼のパーソナルマークとコクピット下部の「KIM ABA」だけで、後はキットのデカールを使用。機体正面のエンジン区画を表す赤ラインは色ズレが目立ったので塗装で表現。
 また、ハリアー特有の翼端などの姿勢制御ノズルはコピックの黒で塗装。下手にスミ入れしたりするより綺麗に仕上がる。コピック万歳。

 今回の目玉、シーハリアーのミサイル母機化は「エリア88コンプリートブック アニメ設定資料集」の設定に準じています。
 実機には無い架空の搭載方法なので、あれこれ試行錯誤の結果、外側パイロンは内側パイロンを加工、内側パイロンはプラ板からそれらしく自作したのですが、内側パイロンはもう1ミリ強くらい小さくした方がよかったかも知れません。
 内側パイロンのミサイルランチャーはジャンクボックスに大量に眠っていたフジミのF-4用のランチャーを加工して取り付け(在庫一掃)、外側用ランチャーはプラ棒からそれらしく削り出しました。
 このパイロン&ランチャーに取り付けるサイドワインダーはアニメの設定ではDかM/L型っぽいのですが、予算の都合上マッコイ商会からジャンクボックスにあったフジミのF-4用のB型(もどき)を、スパローはアカデミーのF-15Eで余っていたものを装着。
 ミサイルの塗装は設定に準じましたので、サイドワインダーの塗装が青いイナート弾(訓練弾)塗装でも設定上は正しい事になっています(設定が間違っていただけ)。

 ただし実際にはシーハリアーFRS.1のレーダーにAIM-7スパロー(中射程AAM)の誘導能力が無いため、搭載・発射出来ません。
 また、AIM-9サイドワインダー(短射程AAM)も外側パイロンに各1発、後にデュアルランチャーが開発された事で各2発であり、作例(A88仕様)のように内側パイロンに各3発も搭載出来ません。
 また、第7話「スイートソルジャー」に登場した内側パイロンに短射程AAM×2+中射程AAM×1、外側パイロンに短射程AAM×3というのは、補助脚と外側パイロンの位置関係からして外側パイロンにミサイル3発というのは絶対無理ィィィィィィ!←作ろうとした本人が言っているのだから多分間違いない。
 完成直後、写真を撮った時になって右翼のスパローが曲がって装着されている事に気付いたので、手直ししました。

 それにしても今の時代に作られたアニメにしては、このシーハリアーやシンのF-8クルセイダー※のミサイル搭載方法とかサイドワインダーの弾体の色とか、軍事考証的にはお粗末な点が目立つ作品でした。
 ※シンのF-8も実機では胴体側面に搭載する短射程AAMがアニメでは主翼パイロンに搭載されている。またパイロン自作か(^^;


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