Hangar No.16


EUROFIGHTER TYPHOON(F-3DJ)
【第301飛行隊 680スペシャル】
(イタレリ 1/72)

Roll Out  2012/1/13

▼実機(架空設定)について

 ユーロファイター・タイフーンは、イギリス、ドイツ、イタリア、スペインの4ヶ国による共同開発で、1994年に初飛行、これら4ヶ国の他、スペイン、オーストリア、サウジアラビアで採用され、総数で500機程度が生産される見込みとなっています。
 なお、第二次大戦でイギリスのホーカー・タイフーンに痛い目にあっているドイツ、イタリアでは「タイフーン」の愛称を使用せず、「ユーロファイター」や「EF-2000」の名称を使用しています。

 日本ではF-4EJファントムの後継機として、F-35A、F/A-18Eと最後まで競ったものの、2011年12月にF-35Aの採用が決定し、タイフーンは採用されませんでした。
 しかし、スーパークルーズ、兵装能力、生産条件等でタイフーンが優位な点もあり、F-35が決定的に優れている訳ではなかったと推測されます。
 なお空中給油について、タイフーンは空自に採用例が無い「プローブ&ドローグ方式」であり、「フライング・ブーム方式」の空中給油機KC-767を改造する必要があると言われていましたが、UH-60Jヘリに空中給油を行うためC-130H輸送機にドローグを装備した機体があるため、同機を用いることでタイフーンへの空中給油は可能になっています(給油機がプロペラ機であってもジェット機への給油は可能)。

 作例は、航空自衛隊の次期主力戦闘機F-35の配備が遅れ、F-4が予定よりも早く退役となったため、F-35配備までのつなぎとしてユーロファイター・タイフーンをF-3J(単座)、DJ(複座)として1個飛行隊分(+飛行教導隊)導入したという設定です。
 ついでに機関砲をオリジナルのマウザーBK27からお馴染みのM61バルカン砲に換装したという余計なおまけ付き。この辺の細かい脳内設定は
こちらをどうぞ。

 2011年11月に発行された「別冊宝島 自衛隊・新世代兵器PERFECT BOOK 2035年兵器カタログ」に尾翼とエアインテーク側面にダンダラ模様が入った「680タイフーン」が描かれていたのがそもそものきっかけで、「680で単座は詰めが甘い」と思って複座型で製作を開始したものです。
 その後スケールアヴィエーション2013年1月号の「蛇の目の花園」においても、空自版タイフーンのイラストが「680号機」になっていてますがこちらも単座型で描かれています。

画像をクリックすると大きな画像(640×480)がご覧いただけます。


▼製作ログ

 2011年末、「次期主力戦闘機落選記念」として製作に着手。

 1/72のタイフーン複座型はイタレリしかないのですが、いつものイタレリクォリティで、あちこちに量産型には無いモールドなど点在し、不要パーツのエンジンノズルなどタイフーンの原型となったBAeのEAPと混同していると思われる部分もあります。
 今回改修したのは、主翼下面アクチュエーター張り出し部分へのチャフ・フレア射出口の追加、胴体下面後部の余計なエアアウトレットの削除、左右同じになっている翼端のポッドのうち右翼ポッドをデコイポッド「らしく」修正、エンジン取付部のモールドの追加、垂直尾翼下のECMアンテナの作り替え程度で、それ以外はキットのままとしていますのでモールドの誤りなどは調べてもいませんし、細かいディテールアップもしていません。そこまでやるつもりならハセガワから複座型が出るのを待ちます。
 それと紛失した赤外線探知装置(PIRATE)をハセガワ・タイフーンからコンバートしてきました。もっともイタレリのPIRATEは実物と形状が違っていますのでそのまま使うにしても修正が必要です。
 追加工作としては、放電索をレドームに追加、機関砲を換装したことによる右翼付け根にバルジの追加、兵装にAAM3、AAM4を装備しました。
 バルカン砲用バルジの追加は手間の割に目立たなかったのでやらない方が良かったかも知れません。
 キットそのものはディテール、モールドの正確さを除けば(笑)、主翼上面・下面の合わせと主翼と胴体の合わせにやや隙間ができるもののまずまずの作りやすさでした。

 塗装は空自F-4改と同じ迷彩色としましたが、GSIクレオスの特色では濃淡差がありすぎるように思えたので両方に白を加えて明度を上げましたがもう少し濃淡差が小さくても良かったかも知れません。
 エアインテーク上部の整流板の境界層除去装置(微細な穴)は何も無いので塗装で再現。
 機体の目玉、垂直尾翼とエアインテーク側面のダンダラ模様は原作に準じた数にしたので、特に垂直尾翼はやや間の抜けた感じになってしまいました。

 機体番号などはストックデカールをフル活用。
 シリアルナンバーは2014年納入(→4)、機種はF-4後継機(→7)、主任務は戦闘機(→8)、機体番号は671から始まる10機目(→680)で原作の1機目と同じ「47−8680」にしました。原作2機目の「07−8680」にしようとすると、2020年納入にする必要があるので、今回の設定上無理です。
 胴体の「680」はフジミの1/72F-4EJの垂直尾翼のシリアルナンバー用を使用。
 日の丸、垂直尾翼の編隊灯、シリアルナンバーはタミヤの1/100F-4EJのものを使用したのですが、去年買ったキットのデカールにもかかわらず、日の丸は水に付けるとあっさり割れたので、シリアルナンバーと編隊灯は20数年前に買ったマイクロデカールのリキッドデカールフィルムを塗ってから使用。
 日の丸は前述の理由からタミヤデカールの使用を諦め、主翼上面と下面は、これも20数年前に買ったハセガワの日の丸デカールを使用。こちらは台紙の糊が変色して(腐って)いたものの、水に浸けても割れることはありませんでした。
 垂直尾翼のケロヨンマークは1/72T-4のものを使用。
 機首の日の丸は適当なサイズのデカールが無かったので、あれこれ探した結果、1/144銀河用のデカールを「買ってきて」使用。
 その他はイタレリ附属のデカールを適当に使用。

 兵装は空自仕様なのでAAM3(×2)、AAM4(×4)をハセガワのウエポンセットから調達、これに両翼にドロップタンク2本としました。
 AAM3、AAM4には細かいデカールが用意されていますが、これを細い弾体に貼ろうとする上手くなじまず、迂闊にデカール軟化剤を使うとすぐにグシャグシャになってしまったので、大所だけ貼って細かいデカールは省略しました。
 ドロップタンクは、F-4EJにならって上面色、下面色で波形塗り分けにしました。また、実機は胴体下面中央にセンタータンクを装備できるのですがキットには入っていないため、ハセガワからコンバートしてこようとか思ったのですが、原作を確認するとセンタータンクを付けているシーンがほとんど無いのでむしろ付けない方が正解でした。

 最後の最後、キャノピーを取り付ける時点で、キャノピーと胴体が絶望的に合わないのが発覚。削り合わせで調整できるレベルでは無かったので、「塗装が終わっていたキャノピー」と「完成している胴体」の隙間をエポキシパテや光硬化パテで修正しました。透明パーツに傷を付けるのを恐れて、最初に摺り合わせをやっておかなかったのが敗因です。
 胴体は無傷でしたが、キャノピーは透明委部分に傷が付いたりしたので、ほぼ全面的にペーパーのかけ直し→再塗装になりました。

 今回は(今回も?)手際というか周囲の整理が悪かったため、赤外線探知装置のパーツを紛失したり、薄め液を塗装済みの機体にこぼしたり、塗料拭き取り用ティッシュペーパーに垂直尾翼先端が接触していたのに気付かず塗装面を荒らしてしまったりと修正のため二度手間、三度手間が多かったのが反省点でした。←同時進行のポルシェ935でもリアウイングとデカールを紛失したし。


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