一 号 格 納 庫


LEOPARD 2  Main Battle Tank
【ドイツ陸軍 エーベルバッハ中佐車】
(ハセガワ 1/72)

Roll Out  2005/10/1

▼実車について
 レオパルト2は西ドイツ(当時)国防軍の主力戦闘戦車(MBT)で、レオパルト(後にレオパルト1と呼称)の後継車として開発された。
 1970年にプロトタイプが完成、1977年、試作車レオパルト2AVに120mm滑腔砲を装備した型をレオパルト2として正式採用することを決定、1979年10月に第1号車が引き渡された。
 レオパルト2は各生産バッチ毎に改良が行われ、A1からA4まで外観的に大きな違いはない。
 現在は装甲強化計画KWSUにより砲塔全面に楔形の装甲(ショト装甲)が追加されより凶悪な(笑)面構えになったA5、武装強化計画KWSTにより44口径120mm滑腔砲を長砲身55口径120mm滑腔砲に換装したA6が生産、配備されている。
 レオパルト2は、スウェーデン陸軍がA5を小改良したStrv122を採用、スイス陸軍がA4以前の型をPz87レオとして採用、オランダ陸軍、スペイン陸軍もレオパルト2を採用しており、ヨーロッパの標準戦車と言っても過言でない。
 ※参照資料:キット組立説明図、「世界の主力戦車カタログ」(三修社)、「萌えよ!戦車学校」(イカロス出版)

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(注)完成品にエーベルバッハ中佐は付いていません

▼製作ログ
 タミヤでもイタレリでもない、ハセガワの1/72ミニボックスシリーズ。ボックスサイドには「ARMY IN ACTION」と書かれ、シリーズ番号が「MA2」とあるのでミニボックスシリーズでも初期の製品と思われる。
 何時買ったかは定かではないが、組立説明図には「PRINTED IN JAPAN.1986.4」と印刷されているので、昭和61年発売で、恐らく発売間もない頃に買ったものと思われる。ちなみに当時は定価500円であるが、現在は税込みで735円である。
 実は記憶にある限り、キチンと戦車などのAFVを製作したのはこれが初めてなので、他のAFVモデルと比較することは出来ないが、ピットロードの1/72陸自90式戦車などと比べると、履帯(所謂キャタピラ)の再現、車体各部の手すりなどかなりあっさりした表現となっているが1/35ではないので、個人的には1/72でお手軽に作るにはこのくらいでもいいと思う(それでも履帯は気になるが…)。
 パーツの合わせは概ね良好だったが、車体上部とサイドスカートの合わせが少し悪く、車体上部とサイドスカートに分割されているサイドスカート止めのヒンジ(?)にずれが生じた(修正はしていない)。

 仕様は、月刊プリンセス1998年3月号、4月号に掲載された、
「エロイカより愛をこめて」の番外編「エーベルバッハ中佐」に登場した「鉄のクラウス」ことエーベルバッハ少佐改め中佐が乗っていた独英で共同開発中の戦車用デジタル・データ通信システムのテスト部隊で使用されているレオパルト2(以下「レオ2」)。
 「エロイカ〜」については、サイトで検索すれば作者の青池保子先生のサイトを含め、何件もヒットするし、少佐の親衛隊サイト(←”親衛隊”って元国防軍のお父上を持つ少佐にはあまりよろしくないような気もするが)もあるので説明は省略。

 作中に登場するレオ2は、サイドスカートの形状から第1バッチ(A1)〜第5バッチ(A4途中)生産分に該当すると思われる。細かく言えば第1バッチ〜第5バッチ間でも細かな改良等が行われているので、厳密に特定することは困難。
 キットにもサブタイプの記載が無いが、サイドスカートの形状と発売時期からしてA4(第5バッチ)ではないかと思われるので、作中のレオ2と同一タイプであるとして製作。
 戦車用デジタル・データ通信システムテスト用車両ということで主砲が換装されていたり、追加装甲がされている訳でもなく、アンテナも増えたりしているようではないので、恐らく内部の通信機器等のみが改造されているものと判断し、キットをストレート組み。砲塔後部の搭載品など若干違うようだが、1/72スケールでここを改造するのは困難なのでキットのままとした。
 テスト部隊ということで不用な装備は降ろされているようなので、砲塔上の機銃、訓練用の回転灯はオミット。
 主砲左右にある同軸機銃、照準器は形状が異なるので一旦削り落として再現。
 最大の違いは、砲塔左右にある煙幕弾発射機(スモーク・ディスチャージャー)で、ここだけ何故か形状が実車と大きく違っていて、実車の片側4連装2列ではなく、3連装3基となっている。オランダ陸軍仕様がこれと同じに見えたので調べてみたところ、こちらは連装3基なので微妙に違っている。
 もっともオランダ陸軍仕様と同じであっても、キット(部品)化されていないのは同じなので、この煙幕発射機だけ自作。
 発射筒の径とほぼ同じエバーグリーンの1mmプラ棒を3本瞬間接着剤で固めた後、元の発射筒の長さを参考に予備分を含めて8基分切り出し、マスキングテープでまとめて固定し、ヤスリ掛けで長さを統一。
 発射筒を束ねる金属帯を極細のマスキングテープで再現し、元の発射筒取付基部を切り出し付け替えて完成。

上が「エロイカ」オリジナル?、下がドイツ陸軍仕様

 砲塔部分も元の発射機の取付穴を埋め、取付ステーをプラ板から切り出し接着、整形(これは簡単)
 実は最初は完全ストレート組みでノーマルの発射機をそのまま取り付けたのだが、後でさすがにここは改造(新造)しないと
アラスカ送りにされかねないので、下塗りまで済んでいたにもかかわらず作り直した。

 塗装は、キットの指定に準拠し、マンガと同じオリーブドラブの単色塗装とした。
 基本色のオリーブドラブは、GSIクレオスのNATO戦車色セットも持っているのだが、勿体ないので(笑)、キットのカラーの混合指定によるオリーブドラブとした(このキット発売当時はカラーセットは未発売なのでカラー混合指定がある)。
 車体、砲塔各部分にある滑り止めは、艶消し黒の指定なのだが、この滑り止め塗装は実車ではその上から迷彩塗装されている場合もあり、キットの指定通りだと妙に浮くように思えたので、艶消し黒とタイヤブラックを半々に混ぜた色で塗装。
 飛行機モデルには、軽くスミ入れするくらいなのだが、AFVはウェザリングをしないとサマにならないので、基本塗装が済んだところで、ペトロールで希釈したエナメルの艶消し黒でウォッシング、当初違和感のあった滑り止めもウォッシングで全体に馴染んだ感じとなった。
 排気口部分に艶消し黒を吹いて軽く汚したり、履帯部分をエナメルの銀で軽くドライブラシ(今はこれをチッピングと言うらしいが)。
 ちなみに私はエナメルカラーは艶消し黒と銀とニュートラルグレーしか持っていないので、場所によってはエナメル塗装の上にラッカー塗料を塗ったりするが少量、小面積であれば全く問題ないと思う。
 極端な話し、 ラッカー塗料でもドライブラシをやってやれないことは無いので、無理にエナメル塗料やアクリル塗料を買い揃える必要もないのではと思う(これ以上増やしても整理するスペースも無いし)。
 今回は、T-4に続き、新アイテム、タミヤのウェザリングマスターとスティックを使ってウェザリングを入れた。
 ウェザリングスティックは最初は車体にボッテリと付けてしまったものの、使い方を飲み込めばお手軽に泥汚れが再現できたので物臭モデラーには最適。車体下面、履帯回りを重点的に汚しを入れた。
 ウェザリングマスターは女性の化粧品セットのような使い勝手で、正に「模型に化粧をする」感覚で使える。車体上面、砲塔のエッジに使ったが、私の使い方が悪いのか、効果のほどはイマイチだったように思える(化粧がヘタ?)。

 マーキングは細かいところはキット付属のデカールを使い、砲塔横の「X-03」はあれこれ考えた(探した)結果、プラッツのアンリミデカール(英空軍コードレター)から。

 せっかくなので、付属のフィギュアを改造してエーベルバッハ中佐を乗せようかとも考えたが、変な中佐を作ってファンから叩かれるのもイヤ(←このヘボサイトを見ているとも思えないが)なので状況中止。

 


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