Hangar No.10


T-4 Jet Trainer
【百里680号機(第305飛行隊)】
(ハセガワ 1/72)

Roll Out  2005/5/15

▼実機について
 昭和56年、MT-X(次期中等練習機)として防衛庁から各メーカーに設計提案要求が行われ、提案のあった川崎重工、三菱重工、富士重工の3社案のうち川崎重工案が採用、川崎重工を主契約社として三菱重工、富士重工が協力会社となる。エンジンは石川島播磨重工が開発したF3-IHI-30エンジンを採用、プロトタイプのXT-4 1号機は昭和60年4月17日ロールアウト、7月29日初飛行に成功。
 航空実験団(APW)でのテストと平行して量産型T-4の生産が開始され、昭和63年9月に空自に量産初号機が納入された。同年10月には浜松基地において臨時T-4飛行隊が発足、翌平成元年10月に第31飛行隊に改編、 平成2年には第32飛行隊も発足、それまでT-33Aで行われてきた基本操縦訓練課程を代替。
 その後、芦屋基地の第1教育飛行隊、第2教育飛行隊がT-1A/BからT-4に機種転換、連絡機として各飛行隊で使用されていたT-33Aの代替として逐次配備が進められた。
 ブルー・インパルス仕様は平成6年に8機、平成8年に1機が納入、後に事故で失われた2機の補充機として平成14年に2機が納入された。
 平成15年3月6日、212機目となるT-4最終号機が納入され、T-4の生産は終了した。

画像をクリックすると大きな画像(640×480)がご覧いただけます。





▼製作ログ
 ハセガワのリニューアル版。

 前脚収納庫を入れ忘れて、胴体左右を貼り合わせるというあるまじき初歩的ミスによってしばらく放置されていた機体。
 前脚を取り付ける基部(収納庫の天井部分)のみ切り取って開口部から胴体内に入れて接着、製作を再開。
 キットはハセガワが威信をかけて(?)リニューアルしただけあって、プロポーションやパーツの合い等は旧製品より向上している(というか旧製品の方がハセガワにしては酷かった)。唯一惜しいのはエアインテーク部分のパーツ割で、エアインテーク下にある航法灯の中央に合わせ目が来るため、航法灯のモールドが型抜きの関係で浅めなこともありペーパーがけで消えてしまうこと、胴体下面の左右のエンジンナセルが各々縦に分割されており、ここも意外と細かいモールドが多いため、整形が困難な箇所となっていることであるが、これは旧製品も同じ。
 また、ランナーから切り出し、整形が難しい細かいアンテナ類まで別パーツ化されているが、製作中に紛失してしまう可能性があるので、予備パーツが1つ欲しいところ←実際胴体下面につけるアンテナ(D9)を紛失した。
 T-4の特徴である機首の長いピトー管も細く折れやすいので注意が必要。先端のセンサー部分(黒鉄色の部分)と本体部分(黒い部分)の境目で折れそうになってしまい、完全に折れないうちに慌てて瞬間接着剤で補強した。
 ウェブサイトや単機での展示であれば、ファインモールドから出ているピトー管セットを1セット用意して、T-4を作るたびに付け替えて(使い回して)展示するというのも有りかと思う。
 胴体上面、コクピット後方にある航法灯を最初バリと間違って削ってしまったため、WAVEの「R・リベット丸・クリア」で再現。

 塗装は組立説明図に従ったが、機体色のグレーFS36375(特色308)はそのままでは暗い感じだったので、小型機ということもあり、白を加えて多少明るくした。
 スミ入れにアルコール系塗料のコピックを初めて使用。動翼、エアブレーキ部分はグレー、エアスクープ等は黒でスミ入れ。従来のエナメル系スミ入れより汚れも少なく簡便な作業で済んだが、アルコール系だけに乾燥が早く、はみ出し部分の拭き取りは迅速な作業が必要。脚周りの汚し(スミ入れ)はエナメル系のウォッシングで仕上げてある。

 マーキングは見ての通りの「百里680」仕様(^_^)。
 680号機で百里基地所属はあまりにもウソくさいが、実在する機体。
 そもそも今回T-4を作ったのは、以前T-4の配備先をまとめたサイト(現在は閉鎖?)に680号機が総隊司令部から第305飛行隊に配備替えになったという情報があったため。
 ちなみにT-4のノーズナンバー(シリアルナンバーの下3桁)は601(XT-4 1号機)から812(最終号機)までなので、680の他に日本人が無意味に好む777号機もあるし、緑色のスモークを吐きそうな666号機もある。
 680号機と言えばF-4EJファントムUですが、F-4EJ(EJ改)は301から440で、680は存在しないというのはもはや常識(笑)←戦闘機で680のノーズナンバーだったのはF-104J。
 テールマークの部分にはILSアンテナが付く機体もあるため、改めて情報を検索してみたところ、
KWATさんのサイトに掲載されていた2004年の百里航空祭の写真では、680号機には未装備となっている。
 デカールについては、基本的にキット附属のデカールを使ったが、一部紛失したり破損してしまい、プラッツの別売りデカールとかアフターパーツでデカールを入手したりせずに、XT-4○号機を作ろうとして放置してしまった旧製品のXT-4から調達したものがあるので、よく見ると左右で違っている部分があるが実物を見ない限りは分からない。

 せっかくの百里680号機なので、こんなインサイドストーリーを勝手に作ってしまいました→
「One day of the Hyakuri air base」

 


完成品リストへ

inserted by FC2 system