Hangar No.12



VF-1A  VALKYRIE(Angel Birds)
【統合宇宙軍 エンジェルバーズ #2&#4】
(ハセガワ 1/72)

Roll Out  2007/2/25

▼実機(の設定)について
 「2番機、4番機にご注目ください。彼らはこれから地上20メートルを時速950キロのスピードですれ違うのです!機体と機体の間隔は僅か数メートル!」
 1982年10月3日午後1時、1話・2話の1時間スペシャルで始まった「超時空要塞マクロス」、後のアニメに登場するメカが「何が何でも飛行機からロボットに変形する」くらい多大な影響を与えた可変戦闘機バルキリーの初登場シーンがこのアクロバットチーム「エンジェルバーズ」の展示飛行です。

 1999年、地球に墜落した謎の巨大宇宙戦艦(改装後SDF-1マクロス)から得られたオーバーテクノロジー(通称OTM、Mはマクロス)を用いて製作された全領域可変戦闘機(VF=Variable Fighter)がVF-1バルキリーシリーズです。
 宇宙戦艦を調査した結果判明した10mを超える異星人との交戦を考慮し、戦闘機から人型ロボット「バトロイド」に変形(中間体としてガウォーク)。
 バルキリー(VF-1)シリーズは、頭部デザイン及びレーザー機銃(マウラーROV-20)の数などの違いによる、A型、J型、S型の3タイプ、戦闘投入も可能な複座訓練機D型の計4タイプ。
 派生型としてバトロイドに変形しない非武装訓練機VT-1「スーパー・オストリッチ」、電子戦機VE-1「エリント・シーカー」などが存在。 また、通常型でも一部エースパイロット向けに高機動型に改造された機体もある。
 なお、A型は一般兵士(小隊列機)、J型は小隊長、S型は中隊長以上の指揮官が使用するのが原則となっているが、某軍曹のように訓練時点からJ型を使用していた例も存在する。
 固定武装は頭部レーザー機銃、半固定武装として55ミリ3連(銃身)ガトリングガンポッド、左右主翼の4つのハードポイントにAMM-1板野式空対地ミサイルを始めとする各種ミサイルが搭載可能。なお「反応弾」と称する核兵器も搭載可能。
 さらにバトロイド時の装甲・兵装強化型としてGPS-1S(プロテクター・ウェポンシステム)を装着した機体を「アーマード・バルキリー」、全形態で使用可能なFASTパック(スーパーパーツ、各種バージョンあり)を装着した機体を 「スーパー・バルキリー」、「ストライク・バルキリー」と呼称する。

 可変翼形態、尾翼に派手なドクロマーク「スカル&クロスボーン」が描かれたスカル大隊機がメディアに登場することが多かった影響から、20世紀に活躍したF-14トムキャット戦闘機と同程度の機体サイズと思われがちであるが、OTMによる機体の小型化により、実際は一回り小型のF-16戦闘機サイズの機体である。

 A型5機、D型1機にスモーク発生装置の追加、特別塗装を施した機体で編成されたのが、統合宇宙軍アクロバットチーム「エンジェルバーズ」であり、マクロス進宙式に華を添えた。
 なお、進宙式時点ではチーム専用のヘルメット、フライトスーツは採用されておらず、通常のヘルメット、フライトスーツで展示飛行に臨んでいるのが映像記録から確認できる。
 チームの編成は以下の通り。
 1番機:Commander/Leader
 2番機:Left Wing
 3番機:Right Wing
 4番機:Slot
 5番機:Lead Solo
 6番機:Reserve(D型)
 
普通、ソロ演技をやるのは2番機、4番機ではなく、4番機、5番機ではなかろうか?などとツッコミたい気もするが...
 また、前述の機体割り振りからすると、1番機は小隊長用VF-1Jを使用するのが適当と思われるが、某島国で生産されるJ型は生産数が少なく、実戦部隊優先で配備され、アクロ・チームまで回わす余裕が無かったためと思われる。
 蛇足ながらこの塗装、バトロイドになると、胸部(機体上面)のライン、腰回りのカラーリングからどーみてもセーラー服にしか見えないというオチが付いている。

画像をクリックすると大きな画像(640×480)がご覧いただけます。





▼製作ログ(注:かなりクドイです)
 2000年にハセガワからバルキリー(発音的には”ヴァルキリー”だがハセガワ及び一般的表記に合わせる)が出るとのアナウンスに狂喜乱舞し、ハセガワ直販で3機も一気に買った(注文した)上に、12月初めの発売時は届くのが待ちきれずに市内の模型店にバイクを走らせ追加で1機買い、同月にJタイプも出たので、一ヶ月で同型機を5個買ったというのが2000年の12月。
 別ページの「戯れ言」や封印中の過去ログを読んでみると、入手直後にエンジェルバーズ仕様を前提に製作を開始しているので、製作期間約74ヶ月という超大作(笑)。
 最初はその昔1/100で作った時と同様、ビデオから塗装パターンを割り出し、ノーマル仕様のデカールで使えるモノ(統合軍マーク、足の「U.N.SPACY」)に赤、青のラインを入れただけにする予定でしたが、2002年にはそのものズバリのエンジェルバーズ仕様が出たため、デカールと箱を交換。←ということはその時点まで作業がほとんど進んでいなかったということ。

 塗装以外の改造点は以下のとおり。

(1)飛行姿勢なのでノーズギア、メインギアの扉は全て閉
(2)TV版のバルキリーでは計器盤の上にHUDが装備されているのでクリア板で追加。操縦桿もサイドスティックからセンター式に変更しなければならないのですが省略。パイロットはウエポンセットからですが、映画版の宇宙服なので肩、胸のモールドをアバウトに削ってTV版の通常飛行服っぽく塗装で表現(fig1)。
(3)TV版の設定では、太もものバルジがA型は単なるデッパリで何のモールドも無いのでパテ埋め(fig2)。

 
fig1          fig2

 ギア格納庫のカバーは全て閉じたものの、入念な調整をせずに作ってしまったため、かなり凸凹になってしまい、面的に不連続になってしまっています。

 改造点以前の問題として、
(1)コクピットパーツが納まらない

干渉部分を削って調整すればいいのですが、ハセガワらしからぬミスです。

(2)キャノピーのど真ん中にパーティングラインが走っている

スライド金型を使ったバブルキャノピーが原因なのですが、TV版の設定画を見る限りではバブル形状とは言い難いので、無理矢理バブル化することもなかったのではないかと思います。バブル化したためにパーティングライン消しというモデラーに余計な手間が一つ増え、ハードルをいたずらに高くしてしまっています。一説にはガンプラ系モデラーでバルキリーを作った人の5人に1人はパーティングラインを消すのにキャノピーを割ってしまっているらしいし...だったらF-4ファントムの尾翼付け根の燃料ベントなんか5人中4人が折るのは確実。

(3)「TV版」と言いつつTV版になっていない

TVに出てきた機体のマーキングが付いているだけで、パーツ自体は映画版のままになっているため、TV版にするにはコクピット周りだけでも、HUD装備、 センター式操縦桿、さらに今回のようにA型の場合はバルジの改修が必要。
 前述のように今回は透明プラ板でHUDの追加、バルジのモールド埋めのみ。

 機首下面や胴体上面に付くアンテナは薄くすべきなのでしょうが、そこまで気力が無かったのでそのまま、機体各部のマルイチマークは一部モールドされていない場所もあるので、全てデカールで処理しています。
 コクピット下の編隊灯は浮きモールドになっていますが、デカールとの馴染みが今イチなのでこのスケールであれば単に凹モールドで十分です(あるいは塗装処理とする)。

 またエアインテーク内の処理も今にしてみれば雑に仕上げていたのが残念。←模型作りにかなり波(ムラ)があるので、やっつけ仕事の時と異常にこだわる時との落差が激しい(概ねやっつけ仕事ではあるが)。

 塗装は当然エンジェルバーズ塗装で、基本塗装はデカールを使わず全て塗装で仕上げました。
 塗装指示に合わせて混色しましたが、どうもイメージと違いましたので、指示をベースに自分の感覚で混色。塗装指示を無視して、サンダーバーズカラーをそのまま使っても良かったかも知れません。
 VF-1Dを使った予備機(6番機)のデカールも入っていますので、もし作ることがあれば、赤・青はサンダーバーズカラーをストレートに使ってみようと思います。色調の違いは前期塗装、後期塗装とか勝手に理屈は付けられるし。
 赤・青ラインは塗装図にマスキングテープを貼って切り出したものをマスキングして塗装。青の上に赤を塗るのは御法度なのですが、赤の上に青を塗ってもなかなかうまく色が出ません。塗膜が多少厚くなるのを我慢して、一色ごとにライトグレーで完全にカバーしてしまった方がいいのかも知れません(実際一部塗装ではそうしました)。
 サンダーバーズなどのアクロ機やF-4ファントムIIの各国記念塗装機に赤・青の塗装パターンが多いので今後もこの問題は避けて通れません。

 尾翼に入いる機番は、マクロス第一話の初登場シーンから2番機、4番機を選択。と言っても2機作った訳では無く、左右で機番を変えただけです。 どのアングルから見ても両方の機番が見えることは多分無いと思います。
 機番が尾翼だけだとバトロイド時に判断ができなくなるので、余計に入っているデカールを使ってベントラルフィンにバトロイドで立った時に正立になる向きで機番を入れてみました (バトロイドに変形することが対外秘だとしたらNGですが)。

 パーツ毎に組み上げて最後の最後で合体させる方法は作業的にはかなり楽ですが、各々のパーツはガッチリ接着しないと後々ヘタレる可能性は十分あります。 なお、機首と胴体に段差があっても「ここは可変部分だから」で説明がつきます(笑)。

 「アクロ機は飛んでいる姿が美しい」(←そんな事を言うと後々T-4で墓穴を掘るに違いない)の方針ですので、今回はハセガワのフレキシブルスタンドを使って飛行姿勢にしましたが、ベースの統合軍マークは、アニメのセル画と同じ方法で裏から塗りましたが、 アニメでは最初に引く黒線は逆に極細マスキングテープでマスキングして最後に塗りました。
 赤を塗ってから白を塗ったにもかかわらず、仕上がりを見ると周囲が赤いせいか白の部分まで微妙に赤っぽく見えてしまい、きれいに発色していないのが残念です (fig3&fig4)。

 
fig3        fig4

 模型用塗料よりアニメで使っているアニメカラーやリキテックスを使えば綺麗に仕上がったのかも知れません。
 これをカミさんが見れば間違いなく「リテイク!」と言われてしまいそうな出来です(笑)

 掲載画像はスタンド支柱が透明だったこともあり、画像ソフトで支柱を消して、ブラシでちょちょっとスモークを入れてみました。
 ただし、このフレキシブルスタンド、機体との接続部の粘着剤がかなり強力ですので、接触部分にデカールがあると、クリアコーティングしていても、剥がれる可能性がありますので、当該部分にはデカールを貼らない方がいいと考えられます。同じ理由で機体下面に特別塗装が施された機体も注意が必要です(デカール云々については2004年のプラモデル・ラジコンショーでハセガワスタッフも言ってました)。
 また、かなり強力な粘着部分に対して、その粘着部分のベースと支柱の接着がさほど強くないため、多少乱暴に扱うとこの部分が剥がれてしまうことがあります。というか剥がれました。万が一剥がれてしまった場合は、安易に両面テープなど使わずにエポキシ系接着剤でがっちり接着しておくことをお勧めします。

 


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